夏期講習の様子 国語「葦手纏い~文字は絵を描く~」
- 探究的な学び
本校では夏休みに教員が夏期講習を行っており、各教科で教養講座から大学入試対策講座まで様々な講座が開かれます。
夏休みからしばらく経っておりますが、夏期講習の様子をご紹介します。
8月29日に、国語科では全学年の生徒を対象として「葦手纏い(あしでまとい)~文字は絵を描く~」を行いました。中学1年生から高校2年生まで23人の申し込みがあり、国語科と美術の教員も参加しました。
2コマ連続講義の1コマ目は、「葦手」の文化に関する講義でした。葦手にはいくつかの意味がありますが、現在いわゆる「葦手」として知られているのは、平安時代から見られる、葦の葉や鳥、岩、水の流れなど、主に水辺の風景に文字を隠して書く(描く)芸術のことです。葦手の手法が用いられた作品例の写真を見ながら、書から蒔絵や着物まで、どのように芸術に取り入れられてきたのかということを学びました。
2コマ目は、筆を用いて見様見真似でオリジナルの葦手作品を描きました。講義の資料や変体仮名の一覧表を見ながら、それぞれが自由に葦手書きに挑戦し、その魅力を体感する時間となりました。短い時間ではありましたが、夢中で描き、どれも力作揃いとなりました。提出された作品は国語科センター1階に展示しています。
普段の古典や現代文の授業では、芸術作品について、文章を通して学び頭で理解することはあっても、体験を通して学ぶ機会はそれほど多くありません。今回の講座を通して、千年以上昔の人々が何を面白いと感じていたのかを少しでも共感し楽しむことができていたら幸いです。古典文学などに描かれた人々を、これまでよりも少しだけ身近に感じることができるようになったのではないでしょうか。